新しいiPhoneの初期設定を終えてから「データ移行の画面を飛ばしてしまった」「家族のApple Accountでサインインしてしまった」「前のiPhoneとして復元するつもりが、新しいiPhoneとして設定してしまった」と気づくことは珍しくありません。iPhoneの初期設定のやり直しは、設定アプリから本体を消去すれば何度でもできますが、消去の前に確認しておかないと、旧端末のデータやeSIMまで失ってしまうことがあります。ここでは、やり直さなくても設定から直せるケースとやり直しが必要なケースの見分け方、消去前に済ませる準備、iOS 27での消去手順、やり直した後のデータ移行のコツを順に説明します。
初期設定をやり直す必要があるか|設定から直せること・直せないこと
「間違えた」と思っても、初期設定をやり直さずに設定アプリから変更できる項目は多くあります。消去には時間も手間もかかるので、まず下の表で自分の状況を当てはめてください。
| 気になっている項目 | やり直しは必要? | 直し方 |
|---|---|---|
| 言語・地域・キーボード | 不要 | 「設定」→「一般」→「言語と地域」 |
| 名前・Face ID・パスコード | 不要 | 「設定」の各項目から変更・再登録 |
| Siri・位置情報・解析の送信 | 不要 | 「設定」→「Siri」「プライバシーとセキュリティ」 |
| 別のApple Accountでサインインした | 原則不要 | 「設定」の自分の名前→「サインアウト」→正しいアカウントでサインイン |
| データ移行・復元を飛ばして「新しいiPhoneとして設定」した | 必要 | バックアップからの復元やクイックスタートは初期設定の途中でしか選べない |
| Androidからの「iOSに移行」を飛ばした | 状況による | やり直すか手動で移すかを判断(後述) |
| 譲渡・売却前に自分のデータを消したい | 必要 | 消去して「こんにちは」画面に戻す |
やり直しが必要になる典型例は「データ移行を飛ばした」ケースです。iCloudバックアップからの復元や、旧iPhoneから直接転送するクイックスタートは初期設定の流れの中でしか選べないため、設定アプリにはそのメニューがありません。Apple Accountを間違えただけなら、サインアウトして入れ直せば済みます。ただし、間違えたアカウントのままiCloudに写真や連絡先が同期されていると、サインアウト時に「iPhoneに残すか」を聞かれるので、残す項目を確認してから進めてください。
消去の前に済ませておく3つの確認
初期設定のやり直しは本体の消去から始まります。消去の操作そのものは数分ですが、次の3点を確認せずに進めると、やり直した後にデータを戻せなくなります。
1. 移したいデータの元がまだ残っているか
旧iPhoneがまだ手元にあり初期化していなければ、やり直し後にクイックスタートでそのまま転送できます。すでに旧iPhoneを手放した・初期化した場合は、iCloudバックアップが頼りです。「設定」→自分の名前→「iCloud」→「iCloudバックアップ」で、最後のバックアップ日時を確認してください。日付が古い場合、その後に撮った写真やLINEのトークは新しいiPhone側にしか残っていないので、消去前に写真をiCloudやPCへ退避し、LINEはトークのバックアップを取っておきます。
2. Apple Accountのパスワードが分かるか
消去の途中でApple Accountのパスワード入力を求められます。これは「探す」のアクティベーションロックを外すための操作で、分からないと消去が止まります。パスワードが不明なら、消去の前にiforgot.apple.comで再設定しておきます。2ファクタ認証の確認コードが旧iPhoneに届く設定になっている場合は、旧iPhoneを手元に置いたまま作業すると安全です。
3. eSIMを残すか消すか
iOS 17以降では、消去の確認画面で「eSIMを保持」と「eSIMを消去」を選べます。同じiPhoneで引き続き使うなら「保持」を選びます。誤って消去すると、キャリアでeSIMの再発行が必要になり、再発行には手数料や時間がかかることがあります。物理SIMの場合はこの選択は出ず、SIMを挿したままで問題ありません。
注意
「新しいiPhoneとして設定してしまった」ケースで最も多い失敗は、新しいiPhoneを消去する前に旧iPhoneを初期化してしまうことです。旧iPhoneは新しいiPhoneへのデータ移行が終わり、写真やLINEが動くのを確認するまで初期化しないでください。
iPhoneの初期設定をやり直す手順(iOS 27)
準備ができたら、次の手順で本体を消去します。2026年10月時点のiOS 27のメニュー名で説明しますが、iOS 15以降なら項目の位置はほぼ同じです。
- 「設定」→「一般」を開き、いちばん下の「転送またはiPhoneをリセット」をタップします。
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」を選びます。「リセット」の方ではなく「消去」です。
- 消去される内容の一覧が表示されます。eSIMの選択肢が出たら「eSIMを保持」を選び、「続ける」をタップします。
- パスコード、続いてApple Accountのパスワードを入力します。ここで「探す」がオフになり、アクティベーションロックが解除されます。
- 「iPhoneを消去」をタップすると再起動し、数分で「こんにちは」の画面に戻ります。
「こんにちは」画面からは、はじめて設定したときと同じ流れです。言語と地域を選び、Wi-Fiに接続したあとの「アプリとデータを転送」の画面が、前回飛ばしてしまった分かれ道です。ここで「別のiPhoneから」「iCloudバックアップから」「Androidから」のいずれかを選びます。Appleの公式手順はAppleサポートの「iPhoneを消去する方法」にまとまっています。
パスコードを忘れてしまって設定アプリに入れない場合は、ロック画面でパスコードを何度か間違えると表示される「iPhoneをリセット」から消去できます(iOS 15.2以降、Apple Accountのパスワードが必要)。画面がまったく動かない・リンゴマークで止まるといった症状のときは、消去ではなくPCに接続しての復元になります。進まない画面別の見分け方は初期設定が進まないときの原因と判断で詳しく説明しています。
やり直した後のデータ移行を失敗させないコツ
初期設定のやり直しは「消去して再設定する」だけなので難しくありませんが、やり直す目的はほとんどの場合データを正しく移すことです。移行方法ごとに、2回目で気をつけたい点をまとめます。
- 旧iPhoneから直接転送(クイックスタート): 旧iPhoneを新しいiPhoneの横に置き、両方をWi-Fiと電源につないでおきます。「アプリとデータを転送」で「別のiPhoneから」を選ぶと、旧iPhoneに案内が出ます。転送中は両方の画面を操作せず、終わるまで待ちます。手順と所要時間、途中で止まったときの対処はiPhoneデータ移行「クイックスタート」の手順と対処法で確認できます。
- iCloudバックアップから復元: 「iCloudバックアップから」を選ぶと、バックアップの一覧が日付付きで表示されます。旧iPhoneの機種名と日付を見て、最新のものを選びます。復元の完了後もアプリのダウンロードはしばらく続くので、Wi-Fiにつないだまま置いておきます。
- Androidから移す: 「iOSに移行」アプリは初期設定の途中でしか使えないため、やり直しの価値があるのはこの方法です。ただし、すでに新しいiPhoneで使い始めている場合は、初期化せずに写真や連絡先だけ手動で移す方が早いこともあります。判断の目安はAndroidからiPhoneへのデータ移行を初期設定後にやり直す場合の決め方を参考にしてください。
- LINEのトーク: iPhone同士の転送でもLINEのトーク履歴は自動では移らないことがあります。消去前に旧iPhoneでトークのバックアップを取り、新しいiPhoneでLINEにログインした直後に復元します。手順はiPhone機種変更でLINEを引き継ぐ方法にまとめています。
ここがポイント
やり直しの直後は、転送が「終わった」と表示されてもアプリの再ダウンロードが裏で続いています。アプリのアイコンが暗いまま、写真が一部しか表示されない、といった状態で慌てて再度消去しないでください。Wi-Fiにつないだまま30分ほど置くと落ち着くことがほとんどです。
中古iPhoneの初期設定をやり直すときに確認したいこと
中古で買ったiPhoneを自分で消去してやり直す場合、新品と違って「前の持ち主の痕跡」が残っていないかを先に確認します。消去の途中で自分のものではないApple Accountのパスワードを求められたら、前の持ち主のアクティベーションロックが残っている状態です。この場合は消去しても解除されず、消去後の「こんにちは」画面で前の持ち主のアカウントを求められてしまいます。自分で解除する方法はないので、消去する前に購入元へ連絡してください。
fab mobile の検品現場では、仕入れた端末をまず初期化し、「こんにちは」画面まで戻った状態でアクティベーションロックが残っていないことを確認してから、バッテリー交換と動作検査に進めています。届いた時点で「こんにちは」画面から始まる状態になっているので、購入後にご自身で消去してやり直す必要はありません。それでも設定を間違えてやり直したい場合は、この記事の手順をそのまま使えます。使い始めてから「設定」→「一般」→「情報」でご自身のApple Accountだけが表示されていれば、前の持ち主の情報は残っていません。
まとめ
- 言語・名前・Face ID・Apple Accountの間違いは設定アプリから直せる。やり直しが必要なのは、データ移行や復元を飛ばして「新しいiPhoneとして設定」した場合。
- 消去の前に、移したいデータの元(旧iPhoneかiCloudバックアップ)が残っているか、Apple Accountのパスワードが分かるか、eSIMを保持するかを確認する。
- 手順は「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」。数分で「こんにちは」画面に戻る。
- やり直し後は「アプリとデータを転送」の画面で転送方法を選ぶ。旧iPhoneは移行の完了を確認するまで初期化しない。
- 中古iPhoneで他人のApple Accountを求められたら、消去せずに購入元へ連絡する。
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