修理・メンテナンス

iPhoneのスピーカーから音が出ないときの直し方|設定・ゴミ詰まり・水濡れの切り分けと修理に出す前の確認

iPhoneのスピーカーから音が出ないときの直し方|設定・ゴミ詰まり・水濡れの切り分けと修理に出す前の確認|fab mobile

動画を再生しても無音、電話は鳴らないのに相手の声は聞こえる、片側のスピーカーだけ音がこもる。iPhoneのスピーカーから音が出ないときの症状は一つではなく、「どの音が」「どこから」出ないのかで原因はかなり絞れます。設定の見落としや穴に詰まったホコリなら数分で直り、水濡れや落下のあとなら部品の故障を疑う必要があります。ここでは、自分で確認できる順番と、修理に出すべきかの線引き、費用の考え方を順に整理します。

「音が出ない」はどこから出ないのか?症状で原因を絞る

iPhoneにはスピーカーが2か所あります。本体下部の充電口の横にあるメインスピーカーと、画面上部の通話用スピーカー(レシーバー)です。iPhone 7以降はこの2つでステレオ再生を行っているため、「片側だけ音が小さい・出ない」という症状が起こります。まず次のどれに当たるかを確認してください。

  • 着信音・通知音だけ鳴らない:サイレントスイッチや集中モードなど設定側の可能性が高い
  • 動画・音楽も含めて一切音が出ない:Bluetooth接続先への出力か、スピーカー・音声回路の故障
  • 通話で相手の声だけ聞こえない:上部レシーバーの詰まりや故障。スピーカーホン(ハンズフリー)に切り替えて聞こえるなら下部スピーカーは正常
  • 音がこもる・割れる・片側だけ小さい:開口部の詰まり、または水濡れ後の乾燥不足
  • 通話後だけ音が出なくなる:通話中に音声出力が切り替わったまま戻らないソフト側の不具合が多い

症状が切り分けられたら、次の順に試していきます。

まず5分で試す設定とソフト側の確認

修理店に持ち込まれる「音が出ない」のうち、設定と再起動で解決する割合は決して少なくありません。以下を上から順に確認してください。

  1. サイレントスイッチ/アクションボタン:本体左側面のスイッチがオレンジ側に倒れていれば消音中です。iPhone 15 Pro以降・iPhone 16シリーズのアクションボタンは、設定で消音以外の機能に割り当てていると切り替えに気づきにくいので「設定 > アクションボタン」を見直します。
  2. 音量と「ボタンで変更」:「設定 > サウンドと触覚」の着信音と通知音のスライダーを動かし、音が鳴るか確認します。ここで鳴ればスピーカーは生きています。
  3. 集中モード(おやすみモード):コントロールセンターで月のアイコンが点灯していないか。スケジュール設定で自動的にオンになっていることがあります。
  4. BluetoothとAirPlay:イヤホン・カーナビ・スピーカーに接続されたままだと本体からは音が出ません。コントロールセンターの再生中ウィジェットで出力先を「iPhone」に戻すか、Bluetoothを一度オフにします。
  5. 再起動:電源を切って入れ直すだけで、音声出力の切り替えが戻らないタイプの不具合はほぼ解消します。
  6. iOSのアップデート:特定アプリだけ無音ならアプリ側の更新、全体なら「設定 > 一般 > ソフトウェアアップデート」を確認します。

ここがポイント

ケースを外して試すことも忘れないでください。厚手のケースや防水ケースが下部スピーカーの開口部を半分ふさいでいて「音が小さくなった」と感じる例は珍しくありません。

スピーカーの穴に詰まったゴミ・ホコリの取り方と、やってはいけない掃除

設定に問題がないのに音がこもる・小さいときは、開口部の詰まりを疑います。ポケットの繊維くず、砂、化粧品の粉などが数か月かけて網目に堆積し、音の通り道をふさぎます。スピーカーの穴は網(メッシュ)の奥に振動板があるため、掃除の方法を間違えると故障を招きます。

方法 可否 理由
乾いた柔らかいブラシ(歯ブラシの柔らかいもの、メイクブラシ)で軽くはく 推奨 網目の表面のホコリを浮かせられる。力を入れずに穴に沿って動かす
マスキングテープを貼ってはがす 可 粘着力が弱いテープなら繊維くずを取れる。強粘着テープは網を傷める
つまようじ・ピン・針で穴をつく 不可 網を破って振動板を傷つける。防水用の膜も破れる
エアダスター(圧縮空気)を吹き付ける 不可 ゴミを奥に押し込むうえ、強い圧力で内部の膜を壊すことがある
アルコールや液体をかけて洗う 不可 液体が内部に入り水濡れと同じ状態になる

Appleのクリーニングに関する案内でも、開口部に異物を差し込まないこと、圧縮空気を使わないことが明記されています。掃除をしても片側だけ音が出ないなら、物理的な故障の可能性が高くなります。

水濡れ・落下のあとに音がこもる・出ないときの見方

お風呂や雨の日に使ったあと、あるいは落としたあとから音が変わった場合は、スピーカー周りの水分や部品のずれを考えます。耐水性能のあるiPhoneでも、スピーカーの網の内側に水滴が残ると、乾くまでの数時間は音がこもります。この場合は電源を切り、スピーカーを下に向けて置き、風通しのよい場所で自然乾燥させてください。ドライヤーの温風や米に埋める方法は推奨されません。

注意したいのは、耐水性能は新品時の試験値であり、経年や修理歴で下がる点です。中古で買った端末や画面交換をした端末は、新品と同じ感覚で水に近づけると内部に水が入りやすく、その入口になりやすいのがスピーカーの開口部です。どの場面までなら耐えられるかはiPhoneの防水はどこまで大丈夫かを場面別にまとめた記事で確認しておくと、再発を防げます。

乾燥させても音が戻らない、または充電口に液体検出の警告が出続けるなら、内部まで水が回っている可能性があります。この段階で充電や電源オンを繰り返すと基板がショートして被害が広がるため、iPhone水没時の応急処置とNG行動に沿って動かすのをやめ、早めに修理の相談をしてください。

注意

「水抜き」をうたうアプリやショートカットで低音を鳴らして水を飛ばす方法が広まっていますが、Appleが公式に案内している手順ではありません。網の表面の水滴には効くことがあっても、内部に入った水は出せず、長時間の大音量再生は振動板の負担になります。

修理に出す判断の目安と費用の考え方

ここまで試して直らないときは、スピーカー本体か、音声を制御する基板側の故障です。次のいずれかに当たるなら、自力での復旧はあきらめて修理窓口に相談するのが現実的です。

  • 「サウンドと触覚」のスライダーを動かしても一切音が鳴らない
  • 片側だけ無音で、掃除と再起動を試しても変わらない
  • 水濡れ・落下のあと24時間以上たっても音がこもったまま
  • ボイスメモの録音・再生もできない(マイクを含む音声回路の不具合)
  • 通話で相手の声が聞こえず、スピーカーホンでも聞こえない

スピーカー交換の費用は機種と修理窓口で幅があり、Apple正規では「その他の損傷」の区分で機種ごとの料金が定められています。保証内かAppleCare+加入かで負担額が大きく変わるため、まずApple公式の修理料金ページで自分の機種の金額を確認してください。非正規店では部品代と工賃の合計で見積もられ、正規より安い反面、Apple純正部品ではないことや以降の正規修理を受けられなくなるリスクがあります。画面やバッテリーを含めたiPhone修理の値段の相場と安く抑えるコツも合わせて見ると、どの窓口が自分に合うか判断しやすくなります。

修理に出す前にはバックアップを取っておきましょう。スピーカー交換自体でデータが消えることは通常ありませんが、水濡れによる基板故障では本体交換になることがあります。iPhone修理でデータが消えるケースとバックアップの取り方を先に確認しておくと、預けるときに慌てません。

fab mobileの検品現場で分かること

中古iPhoneを1台ずつ検品していると、スピーカーの不良は「完全に無音」より「片側だけ音が小さい」「高音域が割れる」という形で見つかることが多いです。特に下部スピーカーは充電口と並んでいるため、ポケットの繊維くずが詰まりやすく、見た目にはきれいでも音を鳴らすと左右差が出る端末があります。検品では着信音・音楽・通話(レシーバー)・スピーカーホン・ボイスメモの録音再生を別々に確認し、左右差や音割れがあれば清掃か部品交換を行ってから出品しています。

もう一つ多いのが、水濡れ歴のある端末で起きる「乾いたあとも音がこもる」症状です。網の内側に水垢や錆が残ると、乾燥しても音がくぐもったままになります。中古を自分で買うときは、商品説明に「水没歴なし」とあっても、受け取ったら最初に音量最大で音楽を鳴らし、両側のスピーカーを指でふさいで左右それぞれの音を確かめることをおすすめします。

修理するか、買い替えるか。中古相場と比べて決める

保証が切れた古い機種でスピーカーが壊れた場合、修理費をかける価値があるかは「本体の残り寿命」と「同じ機種の中古価格」で判断できます。修理費が中古の実売価格の半分を超えるなら、バッテリーも新しい別の端末に乗り換えたほうが結果的に安く済むことが多いです。

機種(容量) 中古実売レンジ
iPhone 11 64GB 23,000〜35,000円
iPhone 12 64GB 26,000〜39,000円
iPhone 13 128GB 38,000〜57,000円
iPhone 14 128GB 47,000〜70,000円

(2026年9月時点の中古実売価格。相場は変動するため、購入時は販売ショップの在庫価格を確認してください)

たとえばiPhone 11でスピーカー交換に加えてバッテリーも弱っているなら、修理費の合計が中古のiPhone 12やiPhone 13の価格に近づきます。逆にiPhone 14以降でまだiOSのサポートが長く続く機種なら、スピーカー交換だけで数年使い続ける選択は十分合理的です。修理の見積もりを取ったら、同じ機種の中古価格と並べて比べてみてください。

まとめ

  • 「着信音だけ」「全部」「通話だけ」「片側だけ」のどれかで原因の見当がつく
  • サイレントスイッチ・集中モード・Bluetooth出力先・再起動の順で確認すると、設定由来の不具合はほぼ解決する
  • 開口部の掃除は乾いた柔らかいブラシだけ。つまようじ・エアダスター・液体は使わない
  • 水濡れ後は自然乾燥で様子を見て、24時間以上こもるなら内部の水を疑い修理相談へ
  • 修理費が同機種の中古実売価格の半分を超えるなら、買い替えも含めて比べる

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