iPhone活用テクニック

iPhoneデータ移行をクイックスタート以外で行う方法4選|手順と選び方

iPhoneデータ移行をクイックスタート以外で行う方法4選|手順と選び方|fab mobile

新しいiPhoneを手に入れたものの、「クイックスタートが使えない」「クイックスタート以外の方法でデータ移行したい」と困っていませんか。旧iPhoneが故障している、すでに手放してしまった、Androidから乗り換えるといったケースでは、2台を並べて行うクイックスタートは使えません。ですが安心してください。iPhoneのデータ移行にはクイックスタート以外にも複数の正規ルートが用意されており、条件さえ合えば写真もLINEもアプリも問題なく引き継げます。この記事では、クイックスタート以外の移行方法4つを比較しながら、あなたの状況に合った選び方と具体的な手順を解説します。

クイックスタート以外の方法が必要になる5つのケース

まず、なぜクイックスタートが使えないのかを整理しておくと、選ぶべき代替手段が自然に決まります。クイックスタートは「旧iPhoneと新iPhoneの2台が手元にあり、どちらも操作できる状態」であることが大前提だからです。

  • 旧iPhoneが故障している:画面が割れて操作できない、電源が入らない、水没した
  • 旧iPhoneが手元にない:下取りに出した、売却済み、紛失・盗難に遭った
  • 旧端末がAndroid:クイックスタートはiPhone同士の機能のため利用不可
  • iOSのバージョンが古い:端末間の直接転送はiOS 12.4以降が必要で、それ以前の端末は非対応
  • 2台を長時間並べて置けない:移行中は両方の端末が数十分〜数時間使えなくなるため、仕事などで旧端末を使い続けたい

なお、単に手順の途中で止まってしまうだけであれば、代替手段に切り替える前に設定を見直すことで解決する場合もあります。原因の切り分けについてはクイックスタートができない原因と対処法も参考にしてください。

ここがポイント

ケーブルを使った「USB有線での直接転送」は、クイックスタート以外の方法だと誤解されがちですが、実際にはクイックスタートの画面から進む転送方式のひとつです。旧iPhoneが操作できない状況では使えないため、代替手段としては数えないでください。

クイックスタート以外のデータ移行方法4つを比較

クイックスタート以外の選択肢は、大きく4つに分かれます。それぞれ移せるデータの範囲と必要な条件が異なるため、まずは全体像を押さえましょう。

方法 旧端末の操作 移せるデータ 目安時間 向いているケース
iCloudバックアップから復元 不要(過去のバックアップがあれば可) ほぼ全データ 30分〜数時間 旧端末が故障・売却済み
パソコンのバックアップから復元 不要(過去のバックアップがあれば可) ほぼ全データ+一部は暗号化時のみ 30分〜1時間 容量が大きい/Wi-Fiが遅い
「iOSに移行」アプリ 必要 連絡先・写真・カレンダー等 30分〜1時間 Androidからの乗り換え
個別に移す(写真・連絡先のみ) 一部必要 選んだデータのみ 10分〜 最低限のデータだけ移せればよい

重要なのは、iCloudとパソコンの2つは「事前にバックアップが取れているか」が絶対条件だという点です。旧端末が完全に壊れてしまった後では、新しくバックアップを作ることはできません。バックアップの作成方法はAppleの公式サポートページ(バックアップする方法)に手順がまとめられています。

方法1:iCloudバックアップから復元する

クイックスタート以外で最も使われているのが、iCloudバックアップからの復元です。旧iPhoneが手元になくても、クラウド上にバックアップさえ残っていれば復元できます。

手順は次のとおりです。

  • 新しいiPhoneの電源を入れ、初期設定を進める(すでに設定済みなら「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」から初期化が必要)
  • 「Appとデータを転送」画面で「iCloudバックアップから」を選ぶ
  • Apple Accountでサインインし、復元したいバックアップの日付を選択
  • Wi-Fiに接続したまま、電源につないで待機する

注意点はiCloudの無料容量が5GBしかないことです。写真が多い方は、そもそもバックアップが作られていなかった、という事態が起こりがちです。またiOS 15以降では、新しいiPhoneへ移行する目的に限り、一時的にiCloudストレージを無料で拡張できる仕組みが用意されています(利用期間は最大3週間程度)。旧端末がまだ動くうちに、この機能でバックアップを取っておくのが安全策です。

注意

復元中にWi-Fiが切れると処理が中断され、最初からやり直しになることがあります。またアプリ本体は復元後にApp Storeから再ダウンロードされるため、通信環境によっては表示上「完了」でも実際に使えるまでさらに時間がかかります。

方法2:パソコン(Finder/iTunes)のバックアップから復元する

パソコンにバックアップを保存してある場合は、そこから復元するのが最短ルートです。Wi-Fi環境に左右されず、有線接続のため大容量でも安定して転送できるのが利点です。

Macでは「Finder」、Windowsでは「Appleデバイス」アプリ(または従来のiTunes)を使い、新しいiPhoneをケーブルで接続してから「バックアップを復元」を選びます。

特に見落としやすいのが「ローカルバックアップを暗号化」の設定です。この項目にチェックを入れていないと、保存されたパスワード、ヘルスケアデータ、通話履歴といった機微な情報が復元されません。バックアップを作る段階で暗号化を有効にしておくことが、後悔しないための最大のポイントです。パソコンを使う移行の詳しい流れはiPhoneのデータ移行方法【PC編】で解説しています。

方法3:Androidから移すなら「iOSに移行」アプリ

Androidスマートフォンからの乗り換えでは、クイックスタートは使えません。代わりにApple公式の「iOSに移行(Move to iOS)」アプリを使います。Google Playからアプリをインストールし、新しいiPhoneの初期設定画面に表示される12桁のコードを入力すると、両端末が直接つながってデータが転送される仕組みです。

移せる主なデータは、連絡先・メッセージ履歴・カメラの写真とビデオ・カレンダー・メールアカウント・ブックマークなどです。一方で、有料アプリや音楽ファイル、多くのアプリ内データは移行対象外という制約があります。乗り換え全体の流れはAppleのAndroidからiPhoneへの乗り換えページでも案内されています。

なお、この方法は新しいiPhoneが「初期設定前」であることが条件です。すでに使い始めている場合は、いったん初期化する必要があります。

方法4:必要なデータだけを個別に移す

「まるごと移行にこだわらず、写真と連絡先さえあればいい」という場合は、個別に移すほうが早くて確実です。

  • 写真・動画:iCloud写真を有効にする、Googleフォトなどのクラウドを経由する、旧端末が動くならAirDropで直接送る
  • 連絡先:iCloud連絡先を同期する、GoogleアカウントをiPhoneに追加する
  • LINE:旧端末で必ずトーク履歴のバックアップとメールアドレス/電話番号の登録を済ませてから、新端末で同じアカウントにログイン
  • ゲーム・SNS・銀行アプリ:各サービスのアカウント連携で引き継ぐ

特にアプリのデータは、iCloud復元やクイックスタートを使った場合でも、アプリ側の引き継ぎ設定が別途必要なものが少なくありません。どのアプリに個別作業が必要かはiPhoneデータ移行でアプリはどうなるかで整理していますので、移行前に一度目を通しておくと安心です。

クイックスタート以外を選ぶときの注意点

代替手段には、クイックスタートにはないつまずきポイントがあります。事前に知っておけば、ほとんどは回避できます。

  • 初期設定を終えた後では選べない:iCloud復元もiOSに移行アプリも、原則として初期設定の途中でしか選択できません。すでにホーム画面まで進めてしまった場合は初期化が必要です
  • バックアップは「移行の後」では作れない:旧端末を手放す前、故障する前に取っておくことがすべての前提です
  • 「探す」をオフにしてから手放す:アクティベーションロックが残ったままだと、下取りや売却でトラブルになります
  • 古いバックアップは新しいiOSに復元できないことがある:新しいiOSで取ったバックアップを、それより古いiOSの端末には復元できません
  • 移行完了まで旧端末は初期化しない:新端末で写真・LINE・アプリの動作をひと通り確認してから消去しましょう

そもそもクイックスタートが使える状況であれば、手間も移せるデータ量も有利です。両方の端末が正常に動く場合はクイックスタートによるデータ移行の手順を優先して検討してみてください。

よくある質問

Q. 旧iPhoneが壊れていて、バックアップも取っていません。データは戻せますか。
A. iCloud写真やiCloudドライブ、連絡先の同期をオンにしていた場合は、その分だけサインインすれば戻ります。同期もバックアップもしていなかったデータについては、残念ながら復元は困難です。

Q. クイックスタート以外の方法だと、データが減りますか。
A. iCloud/パソコンからの復元であれば、移せる範囲はクイックスタートとほぼ同等です。差が出るのは「iOSに移行」アプリと個別移行で、これらは移せるデータの種類が限られます。

Q. どの方法が一番早いですか。
A. データ量にもよりますが、有線でつなぐパソコン経由の復元が安定して速い傾向です。iCloud経由はWi-Fi速度に大きく左右されます。

Q. 中古で買ったiPhoneでも同じ手順で移行できますか。
A. 前の持ち主のデータが消去され、アクティベーションロックが解除された状態であれば、新品と同じ手順で移行できます。購入時にこの点が確認済みかどうかをチェックしてください。

まとめ

  • クイックスタート以外の移行方法は、iCloud復元・パソコン復元・iOSに移行アプリ・個別移行の4つ
  • 旧iPhoneが故障・売却済みなら、事前バックアップの有無ですべてが決まる
  • Androidからの乗り換えは「iOSに移行」アプリ一択だが、有料アプリや音楽は移せない
  • iCloudの無料容量は5GB。移行前なら一時的な無料拡張が使える場合がある
  • いずれの方法も初期設定の途中でしか選べないため、新端末を使い始める前に方針を決めておく

データ移行は「新しい端末を手にする前の準備」で9割が決まります。旧端末がまだ動くうちにバックアップを取っておけば、クイックスタートが使えない状況になっても慌てずに済みます。

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